MBSRや認知行動療法は腰痛を緩和します。

ニューヨークタイムズ紙に腰痛と認知療法に関する記事が掲載されていましたので、ご紹介したいと思います。

http://well.blogs.nytimes.com/2016/03/22/mind-based-therapies-may-ease-lower-back-pain/?smid=fb-share&_r=0

 

調査は認知行動療法を行う群、MBSRを行う群、これまで行われている一般的な治療を行う群の3つに分けて行われました。

20歳から70才の342人の人を対象にして行われたランダム化比較試験という調査の結果、

トレーニングを始めて6か月後に機能が向上した人の割合は・・・

 

MBSR群 61%

認知行動療法群 58%

一般的な治療群 44%

 

また、痛みの煩わしさの改善した人の割合は・・・

認知行動療法群 45%

MBSR群 44%

一般的な治療群 27%

 

つまり、機能向上面でも、痛みの煩わしさの軽減という点でも、これまで一般的に行われて来た治療法(痛み止め等)よりも、認知行動療法やMBSRの方が効果があるという事です。

特に、痛みの煩わしさの軽減という点において、認知行動療法とMBSRの効果が顕著です。

 

単純化してものすごく分かりやすく言うと、

一般的な治療だと・・・

痛いけれども、そこそこ動けるようになる。

認知行動療法やMBSRだと・・・

痛みもあまり気にならず、そこそこ動けるようになる。

という事です。

 

 

腰痛で悩まれている方は認知行動療法やMBSRを試してみられても良いかもしれません。

 

この研究について更に詳しくお知りになりたい方はアメリカ医療学会誌の原文をお読みください。

http://jama.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=2504811

副読本について

「こんな本を買ってみたのですが。。。」

「マインドフルネスを理解するのに何かお勧めの本は無いですか?」

と言われる事が多く、一生懸命探しています(笑)。

 

アメリカでMBSR(マインドフルネスストレス低減法)のプログラムを受講すると、受講者全員に、このプログラムを開発したジョン・カバット・ジン博士が書いた本を副読本として配られます。

それは『FULL CATASTROPHE LIVING』という本で、日本では『マインドフルネスストレス低減法』という題名で初版版の翻訳版が出版されています。

ですので、それをそのままお勧めしてもいいのですが、両方読んでしまった今となっては、原書から伝わるものと翻訳版から伝わるものとの違いを感じてしまい、私自身が積極的に日本語版をお勧めすることはしていません。

 

アメリカでは参加者全員に副読本として『FULL CATASTROPHE LIVING』が配布されますが、「別に宿題とかじゃないから、読んでも読まなくてもいいんだよ。気になった時に読んだり、受講が終わってから読んでも、もちろん読まずに持ってるだけでもいいのよ。でも、持ってたら好きに使えるでしょ。だから、あなたなりの使い方をしたらいいんだよ。」みたいな説明を受けました。

 

また、別の先生からは、「その本はとても助けになる素晴らしい本だよ。でも、忘れてはいけない大事なことがある。本を読むだけでは、マインドフルネスの練習をしたとは言わないという事だ。それは、マインドフルネスの事が書かれた本なんだ。マインドフルネス自体でも、マインドフルネスの練習でも無いんだよ。マインドフルネスやマインドフルネスの練習の助けにするための道具にすぎないんだ。」というような事を教えてもらいました。

 

ですので、知識的な事を知りたい!と思うのは、ごく自然で最もな事だと思うのですが、副読本は「副」と付いている通り、メインではないので、まずは自分自身がマインドフルネスの練習を行った時や、日常での気づき体験を大切に積み重ねていっていただければと思います。

 

最近、一般向けに書かれたマインドフルネス関連の書籍も徐々に見かけるようになりましたので、お勧めできそうな物があれば随時クラスの中などで、ご紹介していきたいと思います。

 

次回のクラスは3月18日(水)夜7時から 京都YWCAです。

お申し込みはメールにてお願いいたします。

lajollastresscoping@yahoo.co.jp

 

 

 

専門学校の先生方を対象にワークショップを行いました。

約2時間半のお時間をいただいて、動物看護師専門学校の先生方を対象に、マインドフルネスを使ったストレスコーピングという内容でワークショップをしてきました。

日常にも取り入れやすい4つのワークを体験していただいて、ストレスに対するコーピングについてご説明し、マインドフルネスをストレスコーピングとして利用するとどんな風に効いてくるのかというようなお話しもさせていただきました。

11名の先生方が参加してくださいました。

「マインドフルネス」という言葉を聞いた事がある方は誰もいらっしゃらなかったのですが、ワークショップの後半には積極的に質問をしてくださるくらい、しっかりと学んでくださいました。

ちょっと楽になったと言ってくださった先生もいらっしゃったようで、半年後に今度は2回連続講座で教員だけではなく、現場で働く動物看護師達にというご要望をいただきました。

 

今回のように、参加してくださる方の対象や目的に応じた内容で、マインドフルネスをお伝えする講座やワークショップのご依頼もお受けしています。

講師のご依頼はメールにてご相談ください。

lajollastresscoping@yahoo.co.jp

 

 

 

 

どの方法を選ぶのか?

先日、認知行動療法の研修会に参加して来ました。

今回は、認知再構成法というものをしっかりと学んできました。

 

認知行動療法は名前の通り認知に着目した行動療法の一つで、第二世代の行動療法と呼ばれています。

一方で、マインドフルネスは第三世代の行動療法と呼ばれています。

こういう言葉の使われ方はお薬にもよくあることだと思います。

 

そこで、つい誤解してしまいがちなのではないか?と思うことがあります。

それは、第2世代よりも第3世代の方が効果があるのではないだろうか?という誤解です。

 

認知行動療法を行うに当たっては、まず自分自身の認知や行動に気づく必要があります。

ですから、認知行動療法を行う上でもマインドフルネスは欠かせないと言ういい方も出来ます。

 

では、両方やるのであれば認知行動療法の方がいいのではないか?と思われる方もあるかもしれません。

認知行動療法とマインドフルネスとどちらが、より適していて効果があるのか?

それは一概には言えません。

 

人それぞれ性格も違えばタイプも違います。

また、その時々置かれている状況も違いますし、悩みの質や困っている事の内容も違います。

 

ですから、名前や呼ばれ方からこれがいいのだ!と判断するのではなく、その時の自分の状態に応じてより良い方法はどれだろうか?と考えて行くことが必要です。

 

ラホヤ・ストレスコーピングオフィスで提供しているヨガ・マインドフルネス・認知行動療法の3つには共通点があります。

一つ目は、皆様ご自身が積極的に参加し、練習し、身につけていただくものであるということ。

二つ目は、一度やり方を身につけていただければ、日常生活の色んな場面で繰り返し応用して活用し続けていただけるということ。

 
もちろん、一つの方法を身につけることが出来れば、どんな場面のどんな問題でも魔法のように解決できるということではありません。

ですが、どんな方法であっても身につけることが出来れば、自分自身のストレスなどに対処する力が今よりも上がるということは確実です。

 
初めから方法を決めてしまうのではなく、まずは、今目の前にあるストレスや問題に一番効果的な方法から初めてみることをお勧めします。

 

私の認知行動療法体験

私が認知行動療法を始めたのは、大学院の実習や研究に追われ、母のアルツハイマーがいよいよ進行する中、バイクで大学に向かう途中に車にはねられるという3重苦のような状況に追い込まれた時でした。

当時は、誰かに認知行動療法をやるために始めようなどという余裕はなく、実は自分自身がしんどすぎて、しんどすぎるのだけど倒れるわけにもいかない状況の中で、クライアントとして認知行動療法を受けてみたいと思ったのです。

 

ですが、せっかくなら自分が習いに行って、自分で自分にセルフ認知行動療法をしたらどうか?と提案してくださった先生があり、クライアントとしてではなく専門職として認知行動療法の研修会に参加しはじめました。

 

認知行動療法と一口に言っても、様々な技法があるのですが、初めに取り組んだのは「行動活性化療法」と呼ばれるものでした。

一日の活動記録を時間を追って記録します。そして、それぞれの活動をした時の幸福感や達成感指数を横に記録します。数日間その記録を続けた後に振り返ります。そして自分のパターンを見つけて、幸福感や達成感を得やすい行動を増やし、逆の行動は減らしてみる。などの工夫をしながら、更に記録を続けるというような事をしました。

まず初めは、たったこれだけの事を一週間程続けただけなのですが、思いのほか効果を感じる事が出来ました。しんどくて、しんどくてたまらなかった毎日が、少しだけしんどさが軽くなって、心なしか充実したのです。

 

初めの体験で手ごたえを感じられた事がその後のやる気につながりました。

他の技法も同じように効果があるのだろうか?一つ一つの技法を、自分で自分をクライアントにして確かめるように実施していきました。

 

今だから分かる事ですが、実はこの姿勢が効果を生む最大の要因だったのかもしれません。

病院では薬をもらいます。薬は一定の効果があると研究で明らかになっているものですが、もらっただけでは効きません。飲まなければ効かないのです。

それと同じように、認知行動療法も一定の効果があると研究で明らかになっているものですが、受けただけでは効きません。実際にやってみなければ効かないのです。

 

認知行動療法のやり方を習っただけではなく、一つ一つ自分自身でやってみたからこそ、知識として知る事と実際にやってみる事との間の大きな差を知る事が出来たように思います。